単独登山女の私は、道迷い遭難をしないように慎重に行動しているつもりです。
歩くルートは、事前に地図をよく見てできる限り頭に入れた上で、紙の地図は必ず持ち歩き、標識を見落とさないように気をつけながら、アプリの地図でこまめに現在地の確認をしています。念のためにモバイルバッテリーは大容量のものを持って行きます。
それでも、木にテープが巻いてあれば信じてしまいます。
つい、たよりにして歩いてしまいます。ところが・・・
木に巻いてあるテープを信じると遭難することがあるそうなのです。
初めて知ったのは、NHKラジオ「石丸謙二郎の山カフェ」でした。
パーソナリティは俳優で登山歴40 年の石丸謙二郎さんです。NHKラジオ第1で 毎週土曜 午前8時5分に放送されています。
実は私、この番組をリアルタイムで聞いたことは一度もありません。
スマホで通勤中に聞き逃し番組として聞いたり、
「読むらじる。」を読んで楽しんだりしています。
テープについて、私が初めて知ったのは2019年9月14日に放送された
『何のため?石丸マスターが気になる「山のテープ」』でした。
石丸謙二郎さんが、テープに沿って歩いて、迷ったこと(遭難しかけたこと)があるそうなのです! しかも、場所は私の地元、神奈川県の丹沢の山です。
では、あの山のテープは一体何か?というと・・・いろいろな方に聞いた答えが詳しく書いてありますので、是非、「読むらじる。」で読んでみてください。
一部引用します。 丹沢では林業に従事する方が多く結んでいるそうです。
テープは標準値。調査に使われているっていうことなんですね。ただ、マスターのように、テープを頼りに道しるべだと思って迷ってしまったという方も、やはりいらっしゃるようで、神奈川山岳ガイド協会の竹川さんにも伺いましたら、「実際、ピンクのテープを登山道と間違えて道に迷う方がいて、特に寄(やどりき)から雨山峠(あめやまとうげ)が多かった。」
八ヶ岳や白馬岳の例も載っています。
そして、番組の最後は次のように締めくくられています。
これから山へ登る方は、くれぐれも山で見かけたテープを信じて道を進むのはやめましょう。必ず、地図とコンパスを持って登山を楽しみましょう!
勉強になりました。良い番組です。
その後、読んだ本が「ドキュメント道迷い遭難」です。
7件の事例(実話)が紹介されています。
そのうちの2件は木に巻いてあるリボンやテープを信じたことが道迷い遭難のきっかけの一つになっています。
和名倉山の事例では、沢登りをした人達が沢から一般ルートへ出るための目印としてつけたテープと、縦走する登山者のためのテープが入り乱れているため、沢登りをした人達がつけたテープに引きずられるようにして、道迷い遭難が起きています。
道に迷ったときに沢を下りてはならない
のは山登りの基本なのに、テープを信じると沢へと導かれてしまうのです。この事例では、尾根に登り返して正規の登山道に戻ることができ、自力下山をして助かっています。
山で遭難したら・・・ある程度の知識と体力がなければ命をおとしてしまいます。遭難しないためにも、もし遭難しても生きて帰るためにも、遭難の事例や生還した事例について知り、学ぶことは大切だと感じたのでした。
※この写真のピンクのテープは、登山道のテープです。