22回目の富士山① の続きです。
13:45 赤岩八合館に到着しました。
赤岩八合館には、過去2回泊まったことがあります。
前回は、11年前です。友人の子どものMちゃん(当時小学6年生女子)が一緒に泊まったのでよく覚えています。
そのときのことは、詳しくはこちらの記事に書きました。
Mちゃんは1日目は余裕そうに登りましたが、寝ている間に高山病になり登頂できませんでした。
赤岩八合館は標高が3300mと高いです。子どもは高山病になりやすいので、標高3000m以下の山小屋に泊まると良いと、後に山の雑誌で読んで知りました。
赤岩八合館は、私が泊まったことのある山小屋の中で最も標高が高く、最も高山病の人を多く見かけたことがある山小屋でもあります。高山病が心配な方は、大人も子どもも、標高3000m以下の山小屋を選ぶと良いと思います。
御殿場ルートの山小屋の中では、赤岩八合館が1番人気があります。富士山の山小屋は上から(標高が高いところから)予約がいっぱいになります。(半蔵坊の小屋番さんが言っていました。)私達も、赤岩八合館が満室で代わりに砂走館を予約したことが複数回ありました。
御殿場ルートの登山道はとてもすいていますが、山小屋はすいている訳ではありません。富士宮口から宝永山経由(プリンスルート)で登ってきた人が多く泊まっているからです。
この日も赤岩八合館は満室でしたが、私達が到着したのはかなり早いほうでした。
おかげで、寝る場所は下の段の一番奥、B1とB2になりました。
ザック、脱いだ靴などの荷物は、前後についているフックにかけます。写真の中でビニール袋に入れてかけてあるのは、私と友人の靴です。ザックは奥にかけました。
一人分の幅は、50㎝くらい(?)です。仕切り等はありません。このスペースが連日満室になっています。
小屋に到着した順に場所が決まっていきます。私達の場所(奥)は、小屋で朝食を食べて御来光を小屋の前で見る人で、入口に近い方が山頂で御来光を見るために夜中に出発する人です。
コロナ後は、快適な山小屋が増えている中、この過酷さは富士山ならでは・・・かなと思います。(人が増えてからは、写真が撮れませんでした。)
寝るスペースの前の畳が食事をする場所(食堂)です。
早く着いたので、食堂でコーヒー(600円)を飲んで休憩しました。
※ナッツは持参したおやつです。標高が高いので袋がぱんぱんに膨れています。
赤岩八合館のトイレです。
この後、3時頃には風が出て気温が下がってきました。そして、4時前にはついに雨が降り始めました。土砂降りではありませんでしたが、登っている人がみんなレインウェアを着ていたくらいの風と雨です。
山小屋には早めに到着することが大事!と改めて思いました。
夏山は、午後になると雨や雷になることが多いです。多くの山では、ほとんどの人が4時前には山小屋に到着していますが、日本一(過酷?)である富士山の山小屋は、日本一登山者の到着が遅い・・・と思います。
雷が鳴り始めたので、小屋の発電機が止められて(安全のために)暗くなりました。
4時半頃には雷の音がやんだので電気がつきました(発電機をつけたようです)。
夕食は17時からです。
お腹がすいていたので、17時になったらすぐに食べました。手作りのカレーがおいしいです。ご飯は自分でよそい、カレーは小屋番さんが入れてくれます。(おかわり自由です。)
夕食後、雨がやんだので外に出ると、見下ろせば登山道と宝永山が見えるくらいには晴れていました。
この夜、山小屋では初めての体験をしました。
19:57頃、地震が起きたのです。
多くの人が既に布団の中に入っていた中、みなさんのスマホの音が鳴りました。
小屋番さんが
「小屋から出ないでください!」
と叫んでいました。
夜なので、小屋の外にいた人はいなかったと思いますが、富士山で地震があると落石の危険があるかもしれないと思いました。
神奈川県に住んでいる私は、家にいたら震度4だったはずです。
富士山では、震度3くらいだったのではないかなと思います。
翌朝4:40頃、御来光を期待して外に出ました。
雲が多すぎて・・・残念です。
雲の間に、三日月のような山中湖の形は見えています。
見下ろすと、宝永山も見えます。
5時には諦めて小屋に入り、朝食を食べました。
朝食もご飯は自分でよそうシステムです。
夜中、近くで寝ていた女の子(小学校低学年くらい)の
「お父さん、助けて。」
という声が聞こえました。寝ている間に高山病になってしまったようです。
朝は食欲がなく、お味噌汁を飲んだだけだったようです。
諦めて下山するのかな?と思ったら・・・
私達が山頂から下山するときにすれ違いました。山頂を目指して登っていたのです。
女の子は辛そうな顔をしていました。
子どもが高山病になったら・・・すぐに下山すべきだと私は思うのですが、頑張らせてしまう親が多いです。そんなに辛い思いをさせてしまったら、山が嫌いになって、富士山には二度と登りたくないと思ってしまうのではないか?と心配になります。
山が大好きな私は、それはとても悲しいことだと思います。富士山は、何度も登りたくなる素晴らしい山です。
朝食後に再び外に出ると、雲の上に太陽が出ていました。
22回目の富士山③ に続きます。