連休中の山小屋は、混雑するから泊まりたくない・・・とずっと思ってきました。そんな私が、今回初めて3連休を利用して山小屋泊の登山計画を立てました。
選んだ山小屋は、八ヶ岳オーレン小屋です。
八ヶ岳オーレン小屋(硫黄岳 天狗岳 赤岳 登山に最適な山小屋)
オーレン小屋のHPには次のように書いてあるからです。
当小屋は、独自の定員制を導入しています。定員250名ですが、100名前後で予約調整を行っておりますのでゆっくりご宿泊できます。ご安心ください。連休時でもお一人様1畳のスペースは確保しております。
1人1畳のスペースは絶対に欲しいです!出発前日の15日にHPの予約状況をチェックすると・・・
あれ??「空き有り」になっています。たしか1週間前くらいは「要問合せ」だったのですけど・・・。9月15日~17日の3連休は、1日目の15日のほうが早く「要問合せ」になっていました。15日は雨だったので、きっとキャンセルが出たのですね。
予約が日々変わりますので詳しくはお問合せください。
と書いてある理由がよくわかります。
オーレン小屋は、以前から泊まってみたい!と思っていた山小屋でもありました。名物の「桜鍋」(馬肉のすき焼き)や檜展望風呂など、魅力がいっぱいです。
- 登山計画
- 茅野駅からアルピコ交通バスで渋の湯へ
- 渋の湯から黒百合ヒュッテへ
- 黒百合ヒュッテから東天狗岳へ
- 東天狗岳からオーレン小屋へ
- 八ヶ岳オーレン小屋に泊まる
- オーレン小屋から夏沢峠へ
- 夏沢峠から硫黄岳へ
- 硫黄岳から赤岳鉱泉へ
- 赤岳鉱泉から美濃戸口へ
- yatsugatake J&N でランチとお風呂
- はまかいじ号に乗る
- 「孤高の人」新田次郎
登山計画
1日目 9月16日(日) ※コースタイム5時間10分
スーパーあずさ1号 八王子7:29発→茅野9:08着
茅野9:25発→渋の湯10:16着のバスに乗る。
渋の湯→2:30→黒百合ヒュッテ→0:05→中山峠→1:20→東天狗→0:45→箕冠山→0:30→オーレン小屋
2日目 9月17日(月)敬老の日 ※コースタイム5時間15分
オーレン小屋→0:20→夏沢峠→1:00→硫黄岳→0:15→赤岩の頭→1:20→赤岳鉱泉→1:30→美濃戸山荘→0:50→美濃戸口
美濃戸口14:45発→茅野15:22着のバス
はまかいじ 茅野15:55発→町田18:14
★コースタイムは、山と高原地図 八ヶ岳 蓼科・美ヶ原・霧ヶ峰 で調べました。
茅野駅からアルピコ交通バスで渋の湯へ
天気予報によると、16日、17日ともにずっと曇りだったので、お天気には期待していませんでした。ところが、茅野駅に着くと・・・
晴れています!
暑いくらいです。お隣の2番バス停には大勢の人が並んでいます。麦草峠行き、または北八ヶ岳ロープウェイ行きに乗る人が多いようです。私は渋の湯へ行くので1番のバス停です。混雑を覚悟していたのですが・・・バスは満席にはならず、乗客の人数を数えたら13人でした。天気が今ひとつの予報だからでしょうか??茅野駅から渋の湯行きのバスに乗ったのは初めてなので、普段と比べてどうなのか?わかりません。
渋の湯につきました。この写真は渋御殿湯です。
私が以前、渋御殿湯を利用したときの記事はこちらです。渋の湯から茅野駅までのバスには乗ったことがあるのです。
渋の湯の駐車場です。(1日1000円)
3連休中なのに、半分くらいあいています。やはり天気の影響でしょうか??
バス停近くのトイレです。ここは無料です。
渋の湯から黒百合ヒュッテへ
黒百合ヒュッテに向かって歩きます。
北八ヶ岳らしい苔の森が続きます。
茅野駅では晴れていましたが、木々の隙間から見える空は曇りです。天気予報通りですね。前日が雨だったので、ぬかるんでいたりすべりやすかったりする場所もありました。
黒百合ヒュッテに着きました。
小屋の前では大勢の人が休憩していました。ここに来て、やっぱり3連休!と思いました。私は中に入ってランチ休憩にします。
メニューです。
ビーフシチューセットにしました。この日は、ご飯が終わってしまったということで、パンのセットです。
1時頃の黒百合ヒュッテのテント場です。連休中ですから、混雑しそうです。
黒百合ヒュッテから東天狗岳へ
中山峠から東天狗岳へ向かいます。
樹林帯を過ぎると・・・どんどん風が強くなり、景色は真っ白です!!
東天狗岳山頂です!
山頂だというのに、誰もいません。眺望はゼロですし風が強いからですね。短時間の休憩で出発しました。前に来たときにも思いましたが、山頂らしくない地味な表示です。
東天狗岳からオーレン小屋へ
東天狗岳から根石岳まで誰にも会いませんでした。3連休なのに・・・。天気が良ければ山小屋やテントに荷物を置いて登る予定だった人が、明日の朝に延期したのかな?と思いました。ずっと風が強く、眺望はありません。
本沢温泉方面へ行く分岐です。
根石岳山頂です!
こちらも地味な山頂です。風が強いので写真を撮ったらすぐに出発します。
根石岳山荘です。
根石岳山荘 泊まってみたい山小屋です。
小屋の前まで行ってみたい気持ちもありましたが、天気の悪化が心配だったので先を急ぎました。
箕冠山(みかぶりやま)です。
樹林帯に入りました。眺望はありません。風がないのでほっとしました。
ここからオーレン小屋までは、歩きやすい樹林帯です。
オーレン小屋に到着です!
八ヶ岳オーレン小屋(硫黄岳 天狗岳 赤岳 登山に最適な山小屋)
こちらは裏側なので、正面に回ります。
八ヶ岳オーレン小屋に泊まる
以前から泊まってみたい!と思っていたオーレン小屋に、ついにやってきました。
案内された部屋は、本館2階の大部屋「横岳」です。
私が寝る場所は、2階のこちらです。
カーテンで仕切られた2畳分のスペースを1人で使えます。良かった!!
連休中だからか、私が今まで泊まった山小屋の中で最もファミリーが多く、小さな子どもがたくさんいました。桜平登山口から1時間半くらいで来ることができるからですね。今回は風が強いので、ファミリーのみなさんは、樹林帯のハイキングのみで、天狗岳にも硫黄岳にも登頂しなかったのだと思います。(単独登山女は、私だけだったかも?しれません。)
夕食の前、4時過ぎに檜風呂に行きました。(夕食後はテント泊のみなさんが利用できるそうです。)多くのみなさんは、もっと早く小屋に着いてお風呂に入った後だったので、すいていました。
檜風呂の入り口です。
脱衣所です。入ったときには人がいましたが、出たのは一番最後だったので(長い時間入っていたので・・・。)撮ることができました。
檜風呂です!
出たのは最後だったので、私がふたをしめました。 石けんやシャンプーは使えませんが、それでも湯船に浸かるとスッキリして疲れがとれます。
シャワーと蛇口はついていますが、冷たい水しか出ません。疲れた足のアイシングができたので良かったです。
この日は、多くの人が入ったのでたくさんの髪の毛や汚れが浮いていたらしいのですが、私の前に入った方が全部すくってきれいにしてくださったようです。有り難いことです。おかげ様で気持ちよく入れました。
トイレや洗面所もきれいです。
夕食も朝食も5時30分ですが、少し早くなるかもしれないと言われていました。全員同じ時間で食事は1回だということに驚きました。混んでいる時期の山小屋は、到着順に2~3回に分けることが多いからです。
夕食は5時15分頃呼ばれました。有名なオーレン小屋名物の「桜鍋」(馬肉のすき焼き)です。本館の食堂で準備しているところを撮りました。
4人グループは、4人で一つの鍋を囲むのですね。私は単独登山なので1人鍋です。
鍋のふたをあけると・・・おいしそうです!
私が食べた場所は、別館(?)の多目的ホール(外大部屋)と書いてある部屋です。混んでいるときは、こちらの部屋を使うのかな?と思いました。
朝食も5時15分頃に呼ばれました。まわりのみなさんはのんびりで(すぐに行かずに)ゆっくりしている人が多くいました。風が強いことが予想されるので、天狗岳や硫黄岳の登頂を諦めたのですね。きっと・・・。私は1番に行って1番に食べました。
朝1番の多目的ホールの様子です。
ご飯やお茶が並べてあります。
朝食です。
こちらは、朝食前の誰もいない間に撮りました。
前日の夜は、ファミリーがたくさんいて、とても写真を撮れる状況ではありませんでした。トランプなどをして楽しんでいたようです。
受付です。
他にも朝食前の人がいない間に、いろいろ写真を撮りました。
八ヶ岳のオリジナルナルゲンボトルを購入しました。 1700円です。
外来のメニューも魅力的です。いつかランチ休憩にボルシチを食べにきたいと思っています。夕食後、コーヒーを飲みたくて頼んでみましたが、厨房が忙しくて今日はできないと言われました。残念です。
やっぱり、できればすいているときに泊まりたいです。新館の個室は、先着順で(別料金なしで!)利用できるそうです。是非、いつの日か個室に泊まってみたいです。
オーレン小屋から夏沢峠へ
朝6時頃、オーレン小屋を出発しました。朝早くから行動しているのは、テント泊の人くらいです。小屋泊のみなさんは、のんびりしていました。(ファミリーが多いですから。)こちらがテント場です。
夏沢峠に向かいます。
歩きやすい道が続きます。
夏沢峠に着きました。 本当は景色が良い場所のはずですが、何も見えません・・・。
山びこ荘(左)とヒュッテ夏沢(右)です。
ヒュッテ夏沢は、学生登山に使われる夏季限定の山小屋です。八ヶ岳周辺の中学校は地元の山である八ヶ岳(硫黄岳が多い)に登るのが恒例となっているそうです。一般の登山客も泊まることができます。
山びこ荘の正面入口です。
入口横の看板を読んでみると・・・
モモンガと天然記念物のヤマネが山びこ荘の中に棲み付いて、毎晩出て来ます。どこでも簡単に見られない非常に貴重な動物ですが、当山荘の中に居ながら観察出来ますので是非ご観察ください。(写真も自由に撮れます)
と、書いてあります!
とっても興味深いです。
山小屋の解説が詳しいこちらのガイドブックで調べてみました。 (ヒュッテ夏沢についてもこのガイドブックで調べました。)
PEAKS特別編集 最新版 八ヶ岳トレッキングガイド (エイムック 3815)
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引用します。
モモンガは体調20㎝以下のリスの仲間で、胴体の側面にマントがあって森を滑空する。一方、ヤマネはネズミの仲間で手のひらにおさまるくらい小さい。どちらも愛らしい目をした夜行性の動物で、昼間は山びこ荘の外壁の隙間につくった巣で寝て、夜になると行動を開始する。泊まっていかなければ、そのキュートな姿を見ることはできないのだ。
う~ん。やっぱり興味深いです。
夏沢峠から硫黄岳へ
はじめは樹林帯を歩きます。
ところが、森林限界を超えると・・・
風が強いです!!
ケルン(石の塔)が道案内をしてくれます。
この次々と現れるケルンが、本当に有り難い存在でした。ただの道案内ではありません。
強力な風よけです。
もしもケルンがなかったら、休憩や水分補給もまともにできません。風よけ効果が抜群なのです。風が強かったために、ケルンの良さに気づくことができました。
天気が良ければ、爆裂火口壁のダイナミックな光景が見られるはずでしたが、
何も見えません・・・。
本当に残念です。いつか必ずリベンジします。
硫黄岳 山頂です!
山頂なのに、ほとんど人がいません。そして広いです!この広さなら、学生登山に向いているのがよくわかります。
硫黄岳の山頂は、八ヶ岳で一番広いそうです。天気の良いときに、できれば近日中に、リベンジしたい!!と心から思いました。 2日間ともに、風は強かったけれど、眺望はゼロだったけれど、雨にはあわなかったので今回はラッキーだったと思うことにします。よく晴れて風のない日に登頂できたら・・・ものすごく感動できそうです。
硫黄岳から赤岳鉱泉へ
硫黄岳から赤岩の頭へ下山しました。
赤岩の頭からは樹林帯に入ります。風はありません。ときどき登山者に会うようになりました。ジョウゴ沢です。
9時頃、赤岳鉱泉に着きました。
ちょうどタイミングよく、軽食・喫茶の窓が開きました。
コーヒーを飲んで休憩しました。
前回来たときに食べたアイスがとってもおいしかったので食べたかったのですが、残念ながらありませんでした。こちらの記事のときです。
この席にすわりました。
私が出発する頃には、赤岳から下山してきた団体さんがたくさんやってきて混雑し始めました。本当にタイミング良かったです。
赤岳鉱泉から美濃戸口へ
赤岳鉱泉から美濃戸口への道は、何度か歩いたことがあります。
でお風呂に入り、ランチを食べるのを楽しみにしていたのでスピードを上げて歩きました。たくさんの人とすれ違い、抜かしたり抜かされたりしたので、やっぱり赤岳は人気なんだな・・・と実感しました。
堰堤広場(えんていひろば)です。
堰堤広場(えんていひろば)から少し歩いたところに、山小屋の車が停めてあるポイントがあります。歩荷(ぼっか)の方が荷物を担ぐ準備をしていました。(ダンボール3箱くらい。)
ここから担ぐのですね。重い荷物が苦手なへなちょこな私は、歩荷のみなさんを心から尊敬しています。ちなみに、今回の私の荷物は、出発前に計ったところ約8.5㎏でした。帰りは7㎏程度だったと思います。
美濃戸山荘です。たくさんの人で賑わっています。
やまのこ村です。
空を見ると、晴れてきました。本当に山はタイミングですね。
yatsugatake J&N でランチとお風呂
11時30分頃、yatsugatake J&N に到着しました!
レストランを利用すると、入浴は350円です。まずはお風呂に入りました。ラッキーなことに誰もいません。
脱衣所です。
ドライヤーは2つあります。
貴重品ロッカーもあるのは有り難いです。
きれいなお風呂です。洗い場は2カ所あります。
私が入ったときは誰もいませんでしたが、後から3人組が入ってきたので急いで出ました。
食事のメニューです。
ステーキプレートにしました。
サラダもついてきます。
時間に余裕があったのでデザートも注文することにしました。
メニューです。
ティラミスとコーヒーにしました。
美濃戸口14:45発のバスに乗る予定だったので、読書をしてのんびり過ごしました。
外のテラス席も人気のようでした。
「yatsugatake J&N」で食事をしたことを書いた過去記事は2つあります。
はまかいじ号に乗る
「はまかいじ」は、土曜日・休日に横浜駅 - 松本駅間を運転している臨時特急列車です。(下り列車が朝、上り列車が夕方の運転で1日1本のみです。)
行きは町田駅で小田急線から横浜線に乗り換えて八王子へ行き、八王子から「スーパーあずさ 1号」に乗りました。帰りは「はまかいじ」に乗ったので、茅野から町田まで、乗り換えなしで指定席に座ることができてとっても快適でした。「はまかいじ」に乗ると、
混んでいる橫浜線に乗らなくていい!
のです。私をはじめ、町田~横浜の間の駅を利用するみなさんにとっては本当に有り難い列車です。もっと本数を増やして欲しいくらいです。
ところが、横浜線の3・4番線ホームにホームドアが設置される関係で185系が入れなくなり、「はまかいじ」廃止の可能性が高まっているそうです。
廃止しないでほしい!
と心から願っています。「はまかいじ」は、古い車両なので、「あずさ」のような新しい車両に変えればいいのに・・・と思うのですが、そういう訳にはいかないのでしょうか??(鉄道について詳しくないのでよくわかりません。)車内販売がないのも残念なところです。信玄餅アイスが食べたいです。ちなみに、下りの「はまかいじ」は町田発8:20茅野着10:36なので、ちょっと遅いです。もっと早い時刻だったら利用したいです・・・。
「孤高の人」新田次郎
今回の登山には、上巻だけ読んでしばらくそのままになっていた「孤高の人」下巻を持って行き、帰りの「はまかいじ」乗車中に、読み終わりました。実在の人物である“単独行の加藤文太郎"をモデルにした新田次郎の山岳小説です。作者が富士山観測所に勤務していたとき、加藤文太郎に実際に会ったことがあるということも知り驚きました!(新田次郎は昭和7年に21歳で気象庁に就職したそうです。)
山に登ると山の本が読みたくなります。地図で場所を確認しながら読みました。こんなときにも、「山と高原地図アプリ」が役に立ちました。
「孤高の人」は、やはり山岳小説の名作でした。
電車の旅の良いところは、
本を読めること
だと思います。(バスは酔いそうなので本を読めません・・・。)
それから渋滞がないことです。車で行くと、余計な待ち時間がなてく時間が自由なのが良いのですが、連休中は中央道の渋滞が心配です。
3連休中の山小屋泊を初めて体験してわかったことは、天気が悪ければ山小屋も登山道もそれほど混雑しないということです。それでも赤岳のように、団体さんがたくさん登る人気の山は混雑すること、道路や鉄道の混雑は避けられないこともわかりました。(特急は指定席の予約が欠かせません!)